ご挨拶

私がまだ小学生だった頃、学校から帰って自宅にランドセルを置くとすぐに、グローブとバットを持って家を飛び出し、日が暮れるまで近所の友達と野球をするのが日常だった。
 
プレーグラウンドは、自宅近くの三角公園だったり、稲刈りの跡が残る田んぼだったり、空き地だったり、子どもたちが野球を出来る場所は何処にでもあった。
 
それが今やどうだろうか。公園には「球技禁止」の看板。都会やここ広島でも、そもそも田んぼも空き地も無くなり、野球に限らず子どもたちがボール遊びを出来る空間を見つけるのも難しい。
 
自宅近くの公園や空き地で、まだ幼かった息子とキャッチボールをしていて、「危ないから止めてください」と近隣住民に怒られたことさえある。野球をする子どもたちにとっては、厳しい環境となったものだ。
 
子どもたちが将来なりたい職業の男の子編では、その昔からずっと「野球選手」がトップで当たり前だったのが、Jリーグが1993年に出来たのを境に「サッカー選手」にその座を奪われることが多くなった。
 
1989年から調査を続けている「第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート」によると、2021年の調査結果では、小学生・男子は1位が「会社員」で、「YouTuber」「サッカー選手」「ゲーム制作」と続き、「野球選手」は5位、中学生・男子ではなんと10位だった。
 
今回から新型コロナの影響で調査方法や調査対象が変わったため変化があったと思われるが、「野球選手」の人気凋落ぶりは明らかだ。
これは野球の普及や発展にとって、危機的な状況といえるでしょう。そして、その状況はこの十数年の間も、変わらないどころか、さらに悪化しているとさえ言えます。
 
ここで出会う「プレーヤー」は選手たちだけではありません。指導者はもちろん、選手の父母の皆さんまで含め、どんな形であれ、野球と接点を持つ、すべての方たちだと思っています。そうした「野球人」の皆さまとの有機的なつながりにより、我が社はこれから常に変化していきます。
これからも変化を恐れることなく、常に前進を続けてゆく所存です。
皆様には、これまで以上の叱咤とご鞭撻をお願いする次第です。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
 
この場をお借りして、このボールパーク完成まで支えていただきました多くの方々に、感謝申し上げます。

木村社長
令和4年5月 
有限会社オーパス 
代表取締役社長 木村 龍浩